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座間味通信 10月号

~台風とサンゴ~

 

秋と言えば台風、台風と言えば沖縄

というくらい、沖縄には台風がたくさんやってくるイメージですね。

 

沖縄の台風のピークは7,8,9月。

本州よりも早めにやってきます。

 

台風が接近するたびに、沖縄では余念のない備えに追われることになりますが、実はこの台風、沖縄の海にはとても重要なのです。

 

サンゴが育つのに最適な環境は水温18~30℃の暖かな海ですが、暖かすぎてもいけません。

 

海水温が上がりすぎないようにコントロールしてくれるのが台風です。

 

海面の水温が26.5℃を超えると台風が発生し、台風が海水を撹拌することで温度が下がります。また分厚い雲が強い日射をさえぎりサンゴが受けるストレスを和らげてくれます。

 

ケラマブルーと呼ばれる座間味の海の美しさを彩り、豊かな生態系を育んでいるサンゴ、そのサンゴの生育に台風は欠かせないもの。素晴らしい自然のメカニズムですね。

 

今年は台風が少なく、座間味島でもサンゴの白化現象を心配されていたそうです。ただ今接近中の台風もサンゴにとっては恵みの台風といえますね。

 

海の恵みを享受しながら、その厳しさと共に生きる座間味らしさをもう一つ。

 

10月3日に座間味島で【海御願(ウミウガン)】という伝統行事が行われました。

 

海を守る神様に、この一年の感謝と今後の航海安全、大漁、家内安全、五穀豊穣をお祈りする伝統行事です。

この日は子供から大人まで、島をあげて神様に日頃の感謝を込めて踊りや神歌を盛大に奉納します。

 

コラムを書きながら、自然と一体になった座間味の生活にまたひとつ憧憬の気持ちを感じました。