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座間味通信 9月号

今月のテーマは『お盆』

 

沖縄は“琉球王国”として、日本や中国、朝鮮半島、東南アジアなどとの海洋貿易を通して栄えてきました。

その独特な文化は現代に引き継がれ、大切な行事は今も旧暦で行われています。

 

8月25日は旧暦の7月7日でした。

「七夕」といえば織姫と彦星が年に一度逢うことのできるロマンチックな日として、笹にお願いごとをするのが一般的ですが、沖縄の「七夕」は“ご先祖様を迎える準備をする日”

 

一週間後にお盆を控え、お墓をきれいに掃除して、お花やお茶、お酒を供え、お線香を焚いてご先祖様へ旧盆の案内をします。

ゆっくりと彼岸と此岸をつないでいく沖縄の人が大切にしている行事です。

 

そして本番のお盆は旧暦7月13日から15日に行われ、

今日9月1日は旧暦の7月14日、お盆の中日(ナカヌヒー)です。

 

沖縄では初日(ウンケー)にご先祖様をお迎えし、最終日(ウークイ)にお見送りするまで、親族が集まっておもてなしをします。

 

~ニライカナイ伝説~

 

沖縄では、自然の恩恵は海から授かるもの、海の向こうからやってくるものと考えられてきました。

 

「海の彼方に神様の住まう“ニライカナイ”という理想郷があり、亡くなった人の魂はニライカナイで守護神として生まれ変わる。そして祖霊神は現生に現れて豊穣や海の安全をもたらしてくれる。」

 

沖縄の人はそんな風に祖霊の存在を常に身近に感じながら生活をしているので、

「沖縄では死者との距離が近い」といわれることもあります。

 

離島ではお墓は海の見える場所にあり、ウークイの日には提灯行列をして海岸で「お疲れ様でした。また来年もおまちしています。」と言ってご先祖様をお見送りするそう。

 

美しい海の向こうに目をやると、そこでご先祖様が私たちを見守りながら幸せに暮らしている・・・

 

いつもそんな風に感じていられたら、穏やかな心で過ごしていけるような気がしてきますね。

 

※最後の写真は座間味島のお墓です。

古くは中国から伝わった沖縄古来のお墓だそうです。